小説家を目指す方であれば、まずは新人賞への応募を検討されていると思います。直木賞や芥川賞といった賞がメジャーかもしれませんが、基本的にこれらの賞に名もない新人がノミネートされることはまずありません。
現在では新人向けの様々な賞がありますが、まずは新人賞に応募するのが小説家への第一歩となるでしょう。ここでは小説家への登竜門となる新人賞の選び方や、おすすめ小説新人賞などについてご紹介します。
応募する新人賞の選び方
新人賞のジャンル
小説の新人賞といってもいくつかのジャンルがあります。純文学と大衆小説、ライトノベルの3つに大別されますので、自分の執筆している作品がどれに属しているかをまず把握しなくてはなりません。当然ですがライトノベル作品を純文学の新人賞に応募したとしても、正当な評価を受けることは難しいでしょう。
締め切りを確認
多くの小説新人賞は締め切りが設定されていますから、そこを判断基準にするのもいいでしょう。執筆がいつ頃終わるのかを見極め、校正などもすべて終わらせて応募できるタイミングの賞を選ぶのも一つの手です。ただ、締め切りを重視するあまり、作風を変えたりページ数を削ったりするのは本末転倒ですから、締め切りだけで応募する賞を決めるのはおすすめしません。
ページ数
新人賞によってはページ数が決められているものもあります。執筆がすでに終わっている作品ならページ数は把握しているでしょうから、それにマッチする賞に応募しなくてはなりません。最初から応募しようと決めている賞があるのなら、その規定に則ったページ数で執筆する必要もあります。
過去受賞作の傾向
新人賞によって受賞者の傾向が異なります。特定のジャンルの作品が多く受賞しているような新人賞もありますので注意しなくてはなりません。その新人賞で過去に受賞した作品がどのようなジャンルなのか、ということを調べておくのは決して無駄なことではないでしょう。
ジャンル別のおすすめ小説新人賞
純文学
・すばる文学賞
すばる文学賞は集英社が主催している新人賞です。小説家を夢見る方なら恐らくご存じでしょうが、純文学の新人賞としてはかなりメジャーな賞といえるでしょう。100~300枚程度の枚数で、受賞すると記念品と100万円の賞金が与えられます。
・太宰治賞
こちらも比較的有名な新人賞ではないでしょうか。三鷹市と筑摩書房が共同で主催していることでも有名です。50~300枚の枚数で、受賞すると記念品と100万円の賞金が受賞者に与えられます。
大衆小説
・小説現代長編新人賞
講談社主催の新人賞で2006年よりスタートしました。基本的にノンジャンルのため推理やサスペンス、SFなどどのような作風でも対象となっています。受賞すると賞状と300万円の賞金が与えられます。
・角川春樹小説賞
株式会社角川春樹事務所が主催している文学賞です。400字詰め原稿用紙で550枚以下の規定があり、受賞すると賞金100万円と記念品が与えられます。
ライト文芸
・電撃大賞
アスキー・メディアワークスが主催しており、ジャンルを問わず作品を募集しています。ページの文字数や書式、短編と長編での枚数などが細かく決められているため、応募する際には注意が必要です。大賞で100万円、金賞50万円、銀賞30万円の賞金が用意されています。
・スニーカー大賞
こちらの新人賞もノンジャンルとなりますが、主に10代を対象とした作品に限られています。二度の締め切りと選考が行われることが賞としての特徴でしょう。大賞300万円、優秀賞50万円、特別賞20万円の賞金が用意されています。
新人賞へ応募するといっても、いざ応募しようと考えると悩んでしまうものです。まだ決められない、迷っている最中という方は、ここでご紹介した新人賞もぜひ選択肢に加えてみましょう。作品と自分の目指す先を見据えたうえで新人賞を選ぶことも大切ですから覚えておいてください。