インターネットの普及により、作品発表の場が増えていますが、作家となるにはやはり新人賞を狙いたいところでしょう。では応募するならどの賞が良いのか、自分の小説に合った賞を探してみましょう。
ラノベ(ライトノベル)とは、どんなジャンルの小説?
一般的に小説は「純文学」と「大衆文学」そして「ライトノベル」の3つに大きく分けられています。
ライトノベルは、略称で「ラノベ」とも呼ばれる、英語のlightとnovelが組み合わされたものです。英語では小説をfiction、その中でも長編を表す単語がnovel、短編ならstoryとなりますが、軽いという意味を持つlightと、長編を指すnovelが表す通り、ライトノベルは広義で「軽く読むことができる長編小説」とされています。
作者や出版社がライトノベルとはっきり明示する場合もありますが、読者がライトノベルと判断する場合もあるため、ライトノベルだと分類分けできる明確な基準はありません。近年では、アニメのような挿絵や表紙が用いられ、会話文の多用などで、より読みやすい文体であることが多くなっています。また、読者の対象年齢が主に若年層に設定されていることが多いため、アニメや漫画に近しい描写や内容が多いというのも、ライトノベルの特徴の一つでしょう。
ラノベの新人賞にはどんなものがある?
インターネットの普及により、小説を投稿することができるウェブサイトが増え、ライトノベルに特化しているものもあります。多くの読者に読んでもらうことができる環境はありますが、作家になるにはやはり新人賞の獲得が近道となるでしょう。
応募数最多のライトノベル最高峰「電撃大賞 電撃小説大賞」
電撃小説大賞は1994年より行われ、著名な作家を多く輩出している有名な新人賞です。
ジャンルを問わない長編および短編の小説が募集されていますが、応募数が他の新人賞と比べて格段に多く、賞の種類も大賞を1等とし、金賞、銀賞、特別賞などを含め6種と多く用意されているのも特徴の一つです。
また、大賞を逃した作品であっても、改稿などを経て書籍化され、人気を呼んだものが多いのも特徴でしょう。出版社が主催のため、書籍化はもちろん、アニメ化や映像化などのメディア展開が多いのも魅力です。
10代向けライトノベルなら「スニーカー大賞」
隔月刊誌の「ザ・スニーカー」の名を冠し、1996年から行われている「スニーカー大賞」ですが、2011年に同誌が休刊となったため、現在ではウェブサイト上で募集されています。
読者の対象年齢層が10代と決められていますが、ジャンルは問われません。この賞の特徴として、大賞を受賞する作品がとても少ない点が挙げられます。作家やイラストレーター、編集者が選考委員となり、選考会が春と秋の2回行われています。
年に2回の選考会開催でチャンスを逃しにくい「GA文庫大賞」
「GA(ジーエー)文庫大賞」は、2008年よりエンターテインメント小説を対象に行われている新人賞です。
前期と後期に分けて募集され、それぞれで選ばれた奨励賞の中からその年度の大賞が選定されます。選考はGA文庫編集部にて行われますが、2017年の第9回までに大賞を受賞した作品は一つのみであるため、審査は厳しいとみられています。しかし、投稿する際に希望すれば、選考時の評価シートを閲覧することができるため、自分の小説の評価を知る貴重な機会になるでしょう。
若年層男子向けなら「集英社ライトノベル新人賞」
2001年から行われていた「スーパーダッシュ小説新人賞」を、2014年から引き継ぎ開催されているのが「集英社ライトノベル新人賞」です。
ジャンルは問われませんが、読者の年齢層が10代から20代と要項で指定されています。前期と後期の2回に分けて募集され、ダッシュエックス文庫の編集部により入選作がそれぞれ選ばれ、作家を含めた最終選考委員がその中から大賞を選定します。2次選考以降に落選した場合でも、1次選考通過者で、かつ希望した人には選考時の評価シートが送られるため、今後の執筆に活かすことができる貴重な機会になるでしょう。
要項には明記されていませんが、出版社の性質からか、男性向けの作品が多い傾向があるようです。
少年向けライトノベルなら「小学館ライトノベル大賞」
小学館ライトノベル大賞は、少年向けライトノベルを扱うガガガ文庫と、少女向けライトノベルを扱うルルル文庫が立ち上げられた2006年から開催されています。
募集されているライトノベルの要項には、「ビジュアルが付くことを意識」されていることが前提条件とされていますが、ジャンルは問われません。ただし、現在募集されているのはガガガ文庫のみであるため、少年向けであることも条件となるでしょう。最終選考委員には、毎年異なる作家がゲスト審査員として加わるのも特徴の一つです。
ライトノベルの新人賞は、大賞を逃しても書籍化のチャンスがあるものが多くあります。自分の小説に合った賞を選び、諦めず投稿することが小説家への道を切り開くようです。