自分が書いた作品を形にできる自費出版。今では自費出版ができる業者も多く、大手の出版社でも自費出版の事業部を設けています。しかし中には詐欺まがいの悪質な商法を行っている会社もあり、被害に遭っている方も少なからず存在します。
多額の費用が必要であるために、契約内容の確認不足でもトラブルになりやすく、生活センターへの相談件数も増えています。そこで、自費出版でトラブルにあわないために気をつけておきたいポイントを、事例とともにご紹介します。
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自費出版のトラブル事例
自費出版でのトラブルの多くは、出版社主催のコンテストに応募し、共同出版を持ちかけられたのがきっかけで起こっています。根拠なく「絶対に売れる」「ベストセラーになる」などと著者を持ち上げて勧誘しますが、出版にかかる費用は著者が負担し、出版社がリスクを負うことはありません。最悪の場合、出版費用を水増しして請求や、スケジュールどおりに本の製作が行われないという事例もあります。
事例1:大手出版社とのトラブル
「売れればドラマ化や全額返金も可能」と、大手出版社から電話で勧誘を受けて契約したが、その後連絡が途絶えがちになった。出版目前となったとき、「書店への直接の営業を控えるように」と言われて不審に思っていたが、実際には一部の書店では置かれていたものの、目立たない端の棚やレジの後ろに積まれているだけのところもあった。さらに、出版からしばらく経ったとき、契約時には詳しく説明のなかった倉庫使用料の請求が出版社から届いた。
事例2:不明瞭な契約内容によるトラブル
コンテストに応募したら、落選通知とともに「出版に向けて話したい」という内容の手紙が届き、説明を受けに行くとその場で勧誘が始まった。費用が高いため悩んでいたが、「全国の書店に棚がある」と言われ契約。しかし、契約後、どの書店に置かれるかを聞いても返答してもらえない。
事例3:スケジュールどおりの出版が行われないトラブル
新聞広告に載っていた事業者に原稿を送ったところ、「500部完売したら費用は事業者が負担する」と言われ契約をした。費用を払ったがその後連絡がなく、出版が翌月に迫ったところで著者から連絡をしてみると、一切の手配がされていない状態だった。
自費出版でのトラブルを回避するための対策
自費出版でのトラブルは、悪質な業者に対してだけではありません。良心的な出版社・印刷会社であったとしても、認識違いや確認不足からトラブルになる場合もあります。トラブルにあわないためには、著者自身も理解を深めて対策することが必要です。
自費出版の目的を明確にする
自費出版ができる出版社や印刷会社は数多く、それぞれで提供するサービスや強み・弱みがあります。
会社の歴史等を綴った社史なのか、多くの人の手に渡る作品をつくりたいのかなど、どんな目的で自費出版をするのか明確することでより適した業者選びに役立ちます。
契約内容を明確にし、理解する
自費出版は、費用を含めて著者への負担が大きいことが多いです。契約内容も、著者にとって有利な内容ばかりではありません。事前の打ち合わせで担当者から説明があっても、契約書は必ず隅々まで読み、合意した上でサインするようにしましょう。
自費出版でのトラブル事例や、回避するための対策をご紹介しました。大手の出版社を含めて、自費出版ができる業者は数多く存在します。営業ツールや作品の発表の場が身近になった一方で、トラブルがあることも事実です。
著者の負担も多い分、より希望に沿った書籍を制作するために、契約内容はきちんと確認し、納得した上で自費出版に取り組みましょう。