会社で社史を発行することになったけれど、そもそも「社史」という言葉について会社で話題になって初めて耳にした、というケースも多いものです。
ここでは「社史とは何なのか」について詳しくご紹介し、種類の違いや目的などについても説明します。
そもそも社史とは何か
社史とは、一言でいえば「会社の情報を詰め込んだ書籍」です。明確な定義は存在しませんが、社史の内容には会社の歴史や理念、事業内容や今後の目標など、会社に関することを幅広く記載します。これにより、社内で情報を共有したり、社外へ会社の存在をアピールしたりでき、会社にとっても大きなチャンスとなるのです。
目的ごとに社史の種類がある
社史の種類は目的ごとに存在します。そのため、一概に「社史」といっても具体的な内容や方向性は異なります。では、どのような種類があるのでしょうか。
社外用
会社外の人に向けた社史です。取引先、顧客、社員の家族など、会社内の人間以外に発信することを目的とされているため、内容は広報関係が多い傾向にあります。
仕事への姿勢、誠実さや信頼性、品質の高さなど、自社をアピールすることで新たな顧客獲得や、会社を理解してもらうための社史となります。そのため、基本的には会社の魅力や事業についての内容を取り入れることが多いです。
また、社外用は会社のブランディングを兼ねていたり、ブランドイメージの向上も視野に入れていることがあるため、社史の内容だけではなく「デザイン性」にもこだわることが多い傾向にあります。
教育用
社員の教育に向けた社史です。企業理念や今後の目標、現在の経営状況などを共有し、社員の意欲向上を目的としています。社員一人ひとりの意識を高めることで、仕事のパフォーマンスも高まり、結果的に売り上げに反映されるため重要な存在です。
とくに入社間もない若い社員は、会社経営の一部を担っている意識がないことも多いため、そういった社員への研修資料としても活用ができます。社史を発行することで、社員一斉教育を実現できるため、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
周年用
周年記念で発行される社史です。10周年、50周年、100周年といった周年記念で、会社の歴史を記した社史を作成する会社もあります。
過去の会社を知ることで学びがあったり、今後の事業の参考になったりなど、会社の歴史には意外なヒントが隠れているものです。そうした会社の歴史を社内で共有することで、社員一人ひとりが仕事に対する姿勢を改めて考えるきっかけになるでしょう。
また、社外向けに発行すれば、会社の成長過程が見え、信頼性の向上につながります。
社史の呼び方
「社史」の他に、いくつか似たような書籍が存在し、それぞれ呼び方が異なります。「社史」と混同しないためにもきちんと把握しておきましょう。
周年史
学校法人、市町村、企業で使用されるのは「周年史」です。
「〇周年」といった、年の節目に作成・発行されることが多く、イベントの紹介や受賞歴、歴史、記念になった会社の出来事などを紹介することが多く、内容自体は「社史」と同じです。
記念誌
記念誌とは、周年史とは違って「周年」を機に発行されるものではなく、何らかの出来事を機に記念として作成されます。構成や内容の自由度が高く、幅広い内容を取り入れられるのが特徴です。
また、社史や周年史のように、会社の歴史を記載しなくても良いため、読み手が興味のある内容のみをチョイスして発信することができます。主な内容は、「関係者の受賞情報」「イベントや出来事の報告・感想」「会社のニュース」などが挙げられます。
社史の種類を知って、自社にはどの書籍が重要かを判断することは大切です。ぜひ、今回の記事を参考にしながら、今一度「社史とは何なのか」「自社に必要な社史」について考えてみましょう。