小説を書いている方であれば一度は耳にしたことのある「すばる文学賞」。日本の文学賞の中でも比較的知名度が高く、このすばる文学賞での受賞を目指す小説家は多いです。
今回は、「すばる文学賞」の概要や、応募する際の傾向と対策などについてご紹介します。
すばる文学賞とは
すばる文学賞とは、「気鋭の新人」の発掘を目的とした文学賞です。似たような名前で「小説すばる新人賞」がありますが、こちらは雑誌の「小説すばる」が募集している新人賞なので、違いに注意してください。
すばる文学賞での受賞は芥川賞の候補にもなることから、注目度の高い公募の一つです。応募数も比較的多いため、受賞を手にするのはごくわずかな作家たちです。
すばる文学賞の募集要項
すばる文学賞の募集要項について見ていきましょう。
応募規定
応募する作品は未発表作品のみで、原稿用紙100枚程度から300枚までの枚数。1行30字×40行を目安にA4判のマス目のない紙に縦に印字します。手書きでの応募も可能ですが、その場合は400字詰原稿用紙を使用します。
「純文学」が好まれる公募
原稿は審査員によって評価され、数ある作品の中からわずかな受賞作が絞り出されます。すばる文学賞の募集ジャンルは多岐にわたりますが、純文学やエンターテイメントよりの純文学などが多いです。そのため、文章能力や表現力、ストーリーの斬新な展開などが必要とされるため、自分の実力や能力をよく見極める必要があります。
過去の受賞作から読み取れる傾向と対策
「すばる文学賞に応募したい」という方のために、ここからは過去の受賞作から読み取れる傾向と対策についてご紹介します。受賞のチャンスをアップさせるためにも参考にしてみてください。
「エンターテイメント性」がカギ
すばる文学賞のジャンルは「純文学」ですが、さらに「エンターテイメント性」も合わさっている公募です。文章の表現、組み立て、使い方などの能力が高いのはもちろんのこと、斬新な世界観やストーリーの展開などでも評価される傾向にあります。
これらの情報からわかるのは、作者の「自由な発想」「斬新なアイデア」などが必要であるということ。テーマの決定から徹底的にこだわることで、受賞のチャンスが広がるでしょう。
読者は若め・女性が多め
すばる文学賞の読者は年齢が若く10代や20代が多い傾向にあります。さらに、女性からの支持も多いため、作品作りはこれらの読者を意識して行うことが大切です。若い世代に好まれる作品、女性の心に訴えかける作品をイメージすることで、すばる文学賞での受賞の確立を上げます。
実際、受賞作品の多くは若い世代・女性に向けた作品や、主人公の年齢が若いなど、読者を想定した作品が並んでいます。徹底した対策を行いたい方は、読者の傾向についてもよく把握しておきましょう。
受賞者の年齢も若い傾向にある
上記では読者の傾向について記載しましたが、「受賞者」も年齢が若い傾向にあり、作家の性別も女性が多い傾向にあります。読者のニーズに応えやすいといった点では、やはり読者と同じ世代であることでチャンスは広がります。
もちろん、年齢や性別に限らず受賞している作家もいるため深く考える必要はありませんが、書き手である自分のイメージを今一度改めてみることで、すばる文学賞の受賞が近づくといえるでしょう。
すばる文学賞で受賞するためには、いくつか傾向や対策をおさえておくことが大切です。受賞されている作品の傾向、読者の傾向、作家の傾向など、あらゆる要素を分析してすばる文学賞に応募してみましょう。