自費出版(自主出版)

自費出版でISBNの取得は必要か

自費出版でISBNの取得は必要か

自費で書籍を出版する際に、ISBNの取得が必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか?
ここではISBNが何かをきちんと把握したうえで、取得すべきかを検討していきます。これから自費出版を考えている人は、ISBNの登録方法までぜひ知っておきましょう。

そもそもISBNとは

ISBNとは13桁からなるコード番号であり、「国際標準図書番号(International Standard Book Number)」と呼ばれるものです。書名以外の情報、つまり誰が書いた何の本なのかをISBNで特定できるため、非常に便利な番号といえます。そして世界中の出版社が共有するコード番号であるため、ISBNを付与すれば世の中で広く共有されます。

またISBNから得られる書籍情報は、出版や流通、販売、図書館などの関係者に共有されるものです。国内発行の本については「日本図書コード管理センター」がISBNの登録から管理までを行っており、ルールやガイドラインも常に協議されています。

自費出版にISBNは必要?

読者の元へスムーズに本を届けるためには、自費出版の際にもISBNを付与したほうがよいでしょう。ISBNは法律や条例で定められたものではないため、書籍にISBNを付与しなくても問題ありません。しかしISBNを付与しないということは、書名以外の情報を一括で管理できなくなることにつながります。売り上げにも影響するため、必須ではないもののISBNを取得しておくと便利です。

また、新しいコードを付与すべき場合と、付与が不要な場合があります。

新しいコードを付与すべき場合

単行本とは別に文庫や新書を発行するとき、つまり発行形態の変更があったときにはISBNを新たに申請しましょう。さらに電子書籍では、ファイル形式ごとにISBNを付与します。内容に変更がある「改訂版」やタイトル変更の際にも、新しいコードが付与されます。

新しいコードの付与が不要な場合

内容に変更のない「増刷・重版」やカラーデザインのみの変更では、新たにコードを付与する必要はありません。価格変更の場合でもISBNを新しく作成しませんが、日本図書コードの価格コードのみ変更します。

日本図書コードとは、ISBNに日本独自の図書分類記号と価格コードを加えたものです。書籍を市場やWEB上で流通・販売させる場合には、ISBNに加えて日本図書コードも必要になります。

JANコードとは?

自費出版の本を販売する際には「JANコード」も必要です。

JANコードとは、日本図書コードの文字情報を2段のバーコードで表現したもので、私たちがよく見慣れている本の裏表紙にあるバーコードこそがJAN(Japanese Article Number)コードなのです。
国内で使われる共通商品番号であり、1段目には978から始まる国際標準コード、2段目には日本独自の図書番号と税抜き本体価格が記されています。

そして書籍に挟み込まれる補充注文カードには、1段目のバーコードのみが記載されます。JANコードを作るためにはISBN取得が求められるので、ぜひ覚えておきましょう。

ISBN取得の手続きや流れ

ISBNの登録先は、日本図書コード管理センターです。

まずはWeb上で申請入力フォームを記入して、申請書PDFを受信し、必要事項を記入します。記入が終わったら、申請書PDFを印刷して日本図書コード管理センター宛に郵送します。このとき、メールやFAXでは受付していないため注意してください。後日、担当者から確認の電話がかかってきます。

質問に答えて何も問題なければ、登録票一式を発送してもらえるでしょう。電話から登録票一式の発送まで、15営業日ほどかかります。優先登録制度がないため、お急ぎの方は早めに申請しましょう。受領書をFAXで返送すれば、ようやくISBNのコードを取得できます。

もし販売を行う場合は、ISBNコードの取得が完了してから印刷・製本を行いましょう。そして国立国会図書館への納本義務を済ませて、可能であれば日本書籍出版協会に書籍登録を行います。

注意事項

雑誌の場合は、ISSN(International Standard Serial Number)と呼ばれる雑誌用コードが存在します。ISBNを取得する前には、「書籍」であるのかをきちんと確認しましょう。

また、ISBNの申請については出版者本人が行わなければなりません。さらにJANコードのほうも、正規の申請が求められます。販売しない本、もしくは電子書籍の申請ならば、ISBNを登録するだけでかまいません。販売も考えている人は、ISBNだけではなくJANコードもきちんと登録しましょう。

近年では電子書籍で本を出す人も増えて、自費出版のスタイルが多様化しています。必ずしもISBNを付けなくてはいけないわけではありませんが、読者にいち早く本を届けるためにも付けたほうがよいでしょう。

ただし、ISBNの付与にはお金がかかります。目安として10書名分で税別20,000円、100書名分で税別34,000円です。ISBNでは後から登録できるため、もし余計な出費を抑えたい方であれば、必要になったときに申請する方法も検討してみましょう。

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