様々な知識を得ることができる新書ですが、その内容は多岐に渡り、明確なジャンル分けが難しくなっています。どんなジャンルの本を読むのか質問されたとき、答えに詰まる人も多いでしょう。
新書のジャンルとは
図書館では分類法によって書籍が並べられていますが、新書もジャンルごとに書架に入っています。では新書はどのようなジャンルに分けられているのでしょうか。
基本的にノンフィクション
新書は基本的に書籍としてのサイズを表すことでもあり、一部には小説などの文学作品で新書サイズのものもありますが、一般的に新書と呼ばれるものはノンフィクションのものを指します。
その内容は、調理方法やビジネス術など実用的な内容である「実用新書」と、時事問題や基礎教養を扱った「教養新書」の2つに大きく分けられます。どちらも専門知識をもった大学教授や料理研究家、ジャーナリストなどの肩書きをもった人が著者であることが多く、事実やデータによって書かれています。
そもそもノンフィクションとは
ノンフィクションは、文章だけでなく、同意味の映像作品にも使われる言葉ですが、想像によって生み出されるフィクションとは真逆の意味をもち、事実や文献などに基づいて作られたものを指します。歴史事実や事象だけでなく、インタビューや世論調査などのデータに基づいて作られることもあります。新書の中には、著者の考察を含めることによりその新書独自の内容で出版されていることが多いようです。
岩波新書の創刊目的とともに紹介
日本では、岩波書店の「岩波新書」が創刊された1938年が新書の始まりとされ、現在に続いています。当時から岩波書店には古典を扱う岩波文庫がありましたが、それに対して、「現代人の世界的教養」を主旨に岩波新書が編集されました。原則として書き下ろしであることと現代の問題に世界的な視野をもち、また科学的な思考をも扱う作品を生み出しています。
創刊目的とされた「教養」が根幹にあるため、現在でも新書は広く教養を扱い、専門書よりも読みやすく自然科学を説いています。
新書にはどんなジャンルがあるか
新書にはっきりと明記されてないため明確なジャンル分けは難しく、図書館と書店とインターネットを比較するとそれぞれの分類方法も異なるため、読者により判断が求められている面があります。
新書にはどのようなジャンルがあるか、一般的によく知られているものを挙げてみましょう。
時事問題が多く扱われる「政治・国際」
歴史問題や領土問題など、日本に関わる国際問題や、現政権に関する問題点や考察などが扱われているため、主に時事問題の新書といえます。日々耳にするニュースについて深く知識を得ることができますが、時事問題であるために、書かれた年代には注意が必要なジャンルでしょう。
出版されている作品には、北朝鮮問題を扱ったものや、未来に訪れる問題を年表として取り上げたもの、同時多発テロ事件後の国際問題が現代史として書かれたものなどがあります。
生活に直結することもある「経済・金融」
投資術やお金に関する知識など、初心者でも理解できるよう詳しく解説したものや、会社経営者の成功談もこのジャンルに当てはまるでしょう。誰かから教えてもらうには今更すぎたり、インターネットよりも詳しく知りたかったりする知識を得ることができます。
最近では注目を浴びているビットコインについて書かれているものや一般投資家になる方法を解説したもの、年金問題を取り上げたものなどが多いようです。
自身や家族の役に立つ知識が得られる「暮らし・健康」
その時代の流行によって、健康食品や推奨される生活習慣などが様々ありますが、その効果を説いたものや検証し批判するものなど、事実に基づく内容が扱われています。ダイエット方法や健康に過ごす方法なども含まれますが、病気になった人のドキュメンタリーや回復までの道程が収められたものも含まれています。
センセーショナルなタイトルであることが多く、思わずドキッとして手に取られやすいジャンルでしょう。近年では禁煙を推奨するものや、障害を分かりやすく説いたもの、年配者との接し方を解説したものなど、日常生活に密接した内容が多く見受けられます。
求める新書がどのジャンルに当たるのか調べる方法はいくつかありますが、自分で調べるにはインターネットが便利でしょう。ただし、図書館の分類と書店やインターネット販売サイトの分類が必ずしも同じとは限らないため、注意が必要です。