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純文学と大衆文学の定義や違いについて

純文学と大衆文学の定義や違いについて

文学の分類としてよく耳にする「純文学」や「大衆文学」。しかし、その定義や違いがはっきりと説明できない方も多いのではないでしょうか。

今回は、純文学と大衆文学の定義や違いについて、ご紹介していきます。

純文学は「芸術的、美的文学作品」

まず、純文学とはどのような本なのでしょうか。
大辞林 第三版によると、

① 大衆文学・通俗文学に対して、読者に媚こびず純粋な芸術をめざした文学作品。
② 哲学・史学を含む広義の文学に対し、美的形成を主とした詩歌・小説・戯曲などの類。

とあります。
(「コトバンク」三省堂 大辞林 第三版より引用 https://kotobank.jp/word/%E7%B4%94%E6%96%87%E5%AD%A6-161913

つまり、硬い文章やテーマに基づいた「芸術的、美的文学作品」のことである、といえそうです。

大衆文学は「大衆を楽しませるための文学作品」

では、大衆文学とはどのような本なのでしょうか。
大辞林 第三版によると、

大衆の興味や理解力に重点を置いて書かれた文学。時代小説・推理小説・ SF ・風俗小説・家庭小説・ユーモア小説・少年少女小説などの類。大衆文芸。

とあります。
(「コトバンク」三省堂 大辞林 第三版より引用 https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E8%A1%86%E6%96%87%E5%AD%A6-91290#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88

つまり、バラエティに富んだ題材から生み出された「大衆を楽しませるための文学作品」のことである、といえそうです。

純文学と大衆文学の違いは?

純文学と大衆文学の定義を見てみても、曖昧でどうもよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。確かに、「芸術的、美的文学作品」かどうかや、「大衆を楽しませるための文学作品」かどうかは、かなり主観的で曖昧な基準です。

純文学や大衆文学に、数学の答えのような明確な定義はありません。しかしここでは、少しだけ純文学と大衆文学の違いをわかりやすくするために、一般的にいわれている違いについて説明していきます。

純文学は、深く考え味わう「美術館」

純文学は、読者に媚びず芸術性を追求しています。代表作としては、森鴎外の『舞姫』、夏目漱石の『吾輩は猫である』、村上春樹の『ノルウェイの森』等が挙げられます。比較的、昔の作品に多いのも特徴です。

どれも息を飲む展開や驚きのラストが待っているというよりは、登場人物の心情を現実そのままに、実にリアルに描ききっているものが多くあります。そしてその芸術性を高めるという目的からか、自分の体験をそのまま描いた「私小説」の形をとっていることも多いです。

物語としてのエンタテインメント性ではなく、その心情や状況のリアルな描写・芸術性に深く思いを馳せ、味わって楽しむ「美術館」のようなものというイメージです。

大衆文学は物語それ自体を楽しむ「遊園地」

大衆文学は純文学と反対に、大衆の興味や理解に寄り添って作られる文学です。読者にわかりやすい楽しさ・面白さを提供することを目的としているため、物語や登場人物が魅力的で深く考察せずとも楽しめるという特徴があります。

代表作としては、東野圭吾の『容疑者Xの献身』、江國香織の『号泣する準備はできていた』、有川浩の『図書館戦争』等が挙げられます。比較的、最近の作品が多いのも特徴です。

物語自体が面白い・表現が楽しいなど、誰にでもわかりやすく広く楽しまれているものが多数を占めます。そのため、ファンタジーやSFなど、現実に起こったことではない空想の物語であることが多いです。物語のエンタテインメント性を存分に引き出し、娯楽の一種として人々を楽しませる「遊園地」というイメージです。

純文学・大衆文学の違いについてご紹介しましたが、なんとなくイメージが湧いたでしょうか。そして、それぞれ目的とするところが「芸術」「娯楽」と違うだけで、そこに貴賤はありません。それぞれの違いをふまえつつ、気分や目的に合わせて純文学・大衆文学を楽しみましょう。

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