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芥川賞と直木賞は両方受賞できるのか

芥川賞と直木賞は両方受賞できるのか

芥川賞と直木賞は、NHKで受賞者の速報が流される唯一の文学賞であり、世間的な注目度も高い賞といえます。しかし、この両方の賞を一人の作家が受賞することはできません。それは、それぞれの賞の特色が違うということと規則で定められていることに理由があります。詳しく見ていきましょう。

芥川賞と直木賞は両方受賞できるのか

結論からいうと、芥川賞と直木賞は両方受賞することはできません。

しかし、一つの作品が芥川賞と直木賞の両方の候補になったことはあります。たとえば、社会派作家として著名な松本清張の『或る「小倉日記」伝』は芥川賞と直木賞の両方の候補作になりました。

この作品は、最初は直木賞の候補作としてノミネートされていたのですが、直木賞の受賞を逃します。しかし、この年の直木賞の選考委員をしていた作家の永井龍男が、この作品は芥川賞向きの作品だから、芥川賞で審査したらどうかと発言し、急きょ、芥川賞候補に変更されました。そして、直木賞の選考会から3日後に行われた芥川賞の選考会で、『或る「小倉日記」伝』は芥川賞を受賞することになりました。

このように両方の賞の候補になった作品はありますが、両方の賞を受賞した作家はいません。
それは芥川賞と直木賞の選考上の理由があるのです。

両方受賞できない理由は

まず、芥川賞と直木賞の選考の取り決めとして「選考対象となるのは、まだ両方のどちらの賞も受賞したことのない作家」というルールがあるのです。そのため、過去に芥川賞を取った作家は直木賞の候補にはなれませんし、直木賞を取った作家も芥川賞の候補にはなれません。

また、芥川賞と直木賞は選考となる対象が異なるという理由もあげられます。芥川賞は基本的に作家として活躍し始めたばかりの「新人作家」に与えられる賞です。対して、直木賞は作家としてある程度名前が売れてきている「中堅作家」に与えられる賞なのです。

さらに、芥川賞は「純文学」に与えられる賞であり、直木賞は「大衆文学」に与えられる賞という点も異なります。

二つの賞はそれぞれに異なる特徴があるため、両方の賞を取ることはできないわけです。

芥川賞と直木賞概要のおさらい

芥川賞の概要

芥川賞とは、公益財団法人である「日本文学振興会」が主催する賞です。日本文学振興会のホームページの芥川賞の紹介を参照すると、下記のように明記されています。

雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる賞です(公募方式ではありません)。

(公益財団法人日本文学振興会より引用 http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/index.html

純文学とは芸術性や形式を重視する小説のことで、文章が美しく作者の思想が表現されている点に特徴があります。文体やテーマに作家の独自性がみられる作品が芥川賞を受賞するといえるでしょう。芥川賞の選考は毎年、上半期と下半期の年2回で、受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円が授与されます。

直木賞概要

直木賞も芥川賞と同様に日本文学振興会が開催する賞です。日本文学振興会の賞の紹介文には、以下のようにあります。

新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)のなかから、最も優秀な作品に贈られる賞です(公募方式ではありません)。

(公益財団法人日本文学振興会より引用 http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/index.html

大衆文芸とは、娯楽性や商業性を重視する作品のことです。芸術性よりも、読者が楽しめる作品であることを目指します。芥川賞同様に、選考は毎年、上半期と下半期の年2回で、受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円が授与されます。

二つの賞の違いを簡単にまとめると、芥川賞は新人作家が書いた中・短編の純文学作品に与えられるのに対し、直木賞は中堅作家が書いた短編から長編の大衆文芸作品に与えられるのだといえるでしょう。

また、それぞれの目的についても、芥川賞は新人発掘の目的を、直木賞はある程度知名度のある作家の売上向上を目的とする点で異なるといえます。

芥川賞と直木賞は両方を受賞することはできません。それは、芥川賞と直木賞の選考の規則によって片方の賞を取った作家は、もう片方の賞を受賞できないと定められているからです。また、選ばれる作品の対象が異なるという理由もあげられます。

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