「これから小説を書きたい!」と思っても、どんな作品を書けばよいのか、どこへ応募すればよいのか不安に思っていませんか?
ここでは小説新人賞のジャンルをチェックしたうえで、新人の小説家でも投稿可能な賞、応募の際のルールをお伝えします。初心者でも安心して応募できるノウハウをみていきましょう。
小説新人賞のジャンルを把握
小説の新人賞は主に、純文学、大衆小説、ライトノベルといった3つのジャンルに分かれています。まずは、それぞれのジャンルの特徴を簡単に知っておきましょう。
純文学
言葉の表現力や文体の独特さを重視している分野です。読むのに時間がかかりますが、それだけ読み応えのある内容といえます。
大衆小説
ストーリー重視で大衆受けする文体が、大衆小説です。エンターテインメントやミステリー、推理小説などが当てはまります。比較的読みやすく、普段よく目にする小説が大衆小説であるケースが多いとされています。
ライトノベル
アニメ風のイラストが表紙を飾っているのが、ライトノベルです。とても読みやすい文体であり、10~20代の若年層に人気の分野ともいえます。ライトノベルも大衆小説のようにストーリー重視ですが、キャラクターの個性が強いという特徴もあります。
新人の小説家が応募可能な賞
新人小説家が応募可能な賞の名前を、ジャンルごとにまとめてみました。気になる文学賞を見つけたら、受賞に向けた執筆の準備を始めていきましょう。
純文学
- 新潮新人賞
- 文藝賞
- 群像新人賞
- すばる文学賞
- 文學界新人賞
大衆小説
- オ―ル讀物新人賞
- 松本清張賞
- 小説すばる新人賞
- 江戸川乱歩賞
- 日本ホラー小説大賞
ライトノベル
- スーパーダッシュ小説新人賞
- スクエア・エニックスライトノベル大賞
- スニーカー大賞
- 電撃小説大賞
- ファンタジア大賞
公募の募集事項を確認
自分の書きたいジャンルと応募したい文学賞が決まったら、各賞の締め切りや募集事項までよく読んでおいたほうがよいです。受賞に向けた準備をきちんと行うことで、時間を無駄にせずに効率よく執筆活動を進められます。
締め切りについて
締め切りをチェックする際には、書き終わるのにどれぐらい月日がかかるのか、校正を済ませて応募できるのはいつ頃になるのかまで想定してください。
ページ数の把握
ページ数も確認しておきましょう。400字詰め原稿用紙で何ページ分なのか、書く前でも書いている途中でもきちんと目安をつけておけば気持ちにも余裕が生まれます。
傾向と対策
過去の受賞作の傾向をチェックしておくことも大切です。どういう作風が好まれるのか、作風に合う賞はどのようなものかを知っておきましょう。
理想を言えば、応募する文学賞の過去の受賞作品を読んでおいたほうがよいです。もし時間がなければ、Web上の書評チェックだけでも行いましょう。
出版の有無
受賞後には単行本として出版される場合とされない場合があります。有名な文学賞ほど注目度が高まり、受賞後に取材や出版といったチャンスが生まれるでしょう。逆に小規模な文学賞では大賞であっても出版されず、賞金と実績を利用して自らの手で次のステップにつなげていきます。
入選すればすぐに人気作家の仲間入りになれる大きな賞を狙うか、さまざまな賞を獲得することで作家活動を続けていくのか、戦略性が問われるところです。
二重応募について
募集要項をきちんと確認しておかないと、受賞取り消しになることがあります。例えば、同じ作品や書き直したものを複数の賞に応募してしまうケースです。とある文学賞に出した短編作品のページ数を増やして、長編小説の公募に送っても同じ作品扱いとなります。主催者側とのトラブルに発展してしまうため、十分注意してください。
落選した作品の取り扱い
落選したものについては、同じ作品であっても別の文学賞に応募できます。受賞者の名前が主催者側で発表される、もしくは落選の通知が届けば、その時点で二重応募の扱いにはなりません。同じ作品をそのまま、もしくは書き直して投稿できるから、創作活動の負担にならずに済みます。
とはいえ賞によっては、落選した作品の応募でさえも認めていない場合があります。文学賞ごとに募集要項をきちんと確認しましょう。
未発表作品の定義
募集要項でよく目にするのが、「未発表作品に限る」といった文言です。未発表作品とは、商業出版や新聞・雑誌の掲載、公募の入賞をしていないものを指します。自費出版物や同人誌・ホームページへの掲載作品は、未発表のものとなります。
しかし、未発表作品の定義は主催者によって異なるため、心配であれば問い合わせたほうがよいです。主催者からの許可が下りた場合、「この作品は○○というホームページに掲載された作品です」と一言書いておくと好印象であり、トラブル防止につながります。
小説を応募するにあたって、自分の作風に合った文学賞を狙うようにしましょう。初心者といえども、新人作家として活躍できる場が増えつつあります。将来を見据えてみると、自分が応募すべきところも見つかるはずです。文学賞ごとにルールが違うことを覚えておき、慣れてきた頃にも欠かさずに募集要項をチェックしてください。