「序破急」と「起承転結」どちらも、物語の構成を決める上で重要な役割を担っています。しかし、具体的な違いについてはよく理解していないという方がほとんどなのではないでしょうか。
小説を書くのであれば、これらの違いはきちんと把握しておきたいところです。そこで、今回は序破急と起承転結の違いについてご紹介します。
序破急と起承転結、それぞれの意味を比較
序破急と起承転結、それぞれどのような意味を持つのでしょうか。
序破急
物語を分割した際の数が3つであるのが序破急です。
「序」で物語をスタートさせます。「物語の説明」「事の発端」「伏線」など、物語の重要ポイントをこの段階で取り入れていきます。
「破」では物語を展開させて、物語に変化をもたらします。「トラブルが起きる」「主人公が悩む」「障害が発生する」などをこの段階で導入します。
「急」でクライマックスを迎えます。解決に向かって物語を進め、解決したら「締め」のエピソードでエンディングです。
上記のように3つに分割して物語を構成するため、「クライマックス」と「締め」が同じ段階で済まされます。
起承転結
起承転結は、物語を分割した際の数が4つになります。
「起」で物語の説明や事の発端を取り入れていきます。情報量は、「序」と比較するとやや少なめです。
「承」で事件やトラブルが発生。物語が深みへと進んでいきます。
「転」で物語が急加速。事件解決に向けたクライマックスシーンです。
「結」で無事に解決し、物語が終結します。
4つに分かれているため、物語にメリハリをつけやすく、物語の構成を立てやすいという方は多いようです。
基本的に大きな違いはない
序破急も起承転結も分割する数が一つ違うというだけで、他に大きな違いはありません。それぞれ意味が異なるわけではなく、ストーリーを展開していく上での目安に過ぎないので、あまり深く考える必要はないようです。
ただ、どちらを使うかで物語が微妙に変化することもあります。詳しくは次でご紹介します。
序破急と起承転結の使い分けはどうしたらいいのか
序破急と起承転結、どちらも物語の構成を担うものですが、どちらをどのようなシーンで使えばいいのか分からないですよね。そこで、具体的な使い分けについてご紹介します。
どちらを使ってもOK
実は「序破急」「起承転結」についてはどちらを使うか、といった決まりはありません。そのため、自分が取り入れやすい方を選ぶことが大切です。
「3段階に分けた方がイメージしやすい」「4段階に分けた方がエピソードを考えやすい」など、自分の性格に合わせて使うのがベスト。小説を書く上で大切なのは、どちらを使うかではなく「物語のスタートから終結までどのように話を展開させるか」です。「起承転結」「序破急」で悩む前に、まずは物語の展開のさせ方を考えることも重要です。
物語によって使い分けるのも○
物語によって、「序破急」「起承転結」を使い分けるという方法もあります。物語によってはしっくりくる方と、作りにくい方があるケースもあるため、物語の構想を考えたら「どちらが使いやすいか」を比較してみると良いでしょう。
初心者は「起承転結」が使いやすいことが多い
小説を書き始めたばかりの場合、「序破急」では一つの段階に詰め込む情報量が多く、その配分に悩んでしまうかもしれません。そのため、「起承転結」で細かく分割して、一つの段階に詰め込む情報量を少なくすることがおすすめです。
どこに、どのようなエピソードを入れるのかが明確でもあるため、初心者でも物語の構成を立てやすいといったメリットがあります。物語の構成に行き詰ったら、一度「起承転結」を使って構成を考えてみましょう。
序破急と起承転結にはそれぞれの特徴が存在しますが、どちらの方が優れているか…といった決定的な条件はありません。自分の作品の流れや使いやすさなどを比較しながらどちらが合っているのかをきちんと考えることをおすすめします。