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本の賞ってどんな賞があるの?歴史や有名な作品についても紹介

本の賞

本好きにとって「新たな面白い本の発見」は何にも代えられないものです。ネットや書店などで探す人も多いと思いますが、「当たり」の本を見つけるには「文学賞を受賞した作品」を読んでみるのがおすすめです。そこで、今回は数ある文学賞の中から、伝統的な文学賞や変わり種の賞まで、本の賞について紹介していきます。
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伝統的な文学賞

まずは、伝統的な文学賞について紹介していきます。

芥川龍之介賞(芥川賞):新人賞

作品名 著者名 出版社
火花 又吉直樹 文藝春秋
蛇にピアス 金原ひとみ 集英社
限りなく透明に近いブルー 村上龍 講談社

芥川賞は、日本の純文学界で最も権威ある賞の一つで、新人作家の登竜門とされています。正式名称は「芥川龍之介賞」で、昭和10年(1935年)に創設されました。この賞は、無名または新進の作家が書いた優れた純文学作品を対象にしています。候補作は文芸雑誌に掲載された短編~中編小説が中心で、年に二回、1月と7月に受賞作が発表されます。

芥川賞は、多くの受賞者が後に日本文学界で重要な地位を占めるようになることでも有名です。芥川賞で有名な作品には、又吉直樹の「火花」や金原ひとみの「蛇にピアス」などがあります。

直木三十五賞(直木賞):最も認知度が高い文学賞

作品名 著者名 出版社
容疑者Xの献身 東野圭吾 文藝春秋
下町ロケット 池井戸潤 小学館
理由 宮部みゆき
朝日新聞社

直木賞は、新人や中堅作家による優れた大衆小説作品を対象としています。正式名称は「直木三十五賞」で、昭和10年(1935年)に芥川賞と同時に創設されました。この賞は、広く読者に支持されるエンターテインメント性の高い作品を評価しているので、世間で最も認知度と人気が高い文学賞と言われています。

候補作は単行本として出版された作品が中心で、年に二回、1月と7月に受賞作が発表されます。直木賞は、人気や実力を兼ね備えた作家が書いた作品が選ばれることが多く、受賞を機にさらに活躍する作家が多いのが特徴です。直木賞で有名な作品には、東野圭吾の「容疑者Xの献身」、池井戸潤の「下町ロケット」、宮部みゆきの「理由」などがあります。

読売文学賞:純文学

作品名 著者名 出版社
砂の女 安部公房 新潮社
金閣寺 三島由紀夫 新潮社
黒い裾 幸田文
中央公論社

読売文学賞は、日本の文学界における権威ある賞の一つで優れた文学作品を表彰します。1949年に創設され、毎年1回、読売新聞社が主催しています。この賞は、文学の多様なジャンルを対象としており、小説、戯曲、詩、評論・伝記、随筆・紀行の5部門に分かれています。

過去の受賞者には、川端康成や三島由紀夫といった日本文学の巨匠が名を連ねており、作家としての地位を確立する重要なステップとなる賞とも言えるでしょう。読売文学賞で有名な作品には、安部公房の「砂の女」や三島由紀夫の「金閣寺」などがあります。

ジャンルが限定されている文学賞

続いて、特定のジャンルに絞った形で集められた作品を評価する賞について紹介します。

江戸川乱歩賞(乱歩賞):探偵・推理小説

作品名 著者名 出版社
天使の傷痕 西村京太郎 講談社
高層の死角 森村誠一 講談社
天使のナイフ 薬丸岳 講談社

江戸川乱歩賞は、日本推理作家協会が主催するミステリー小説を対象とした文学賞で、日本のミステリー文学の発展を目的として1955年に創設されました。未発表の長編ミステリー小説を対象とし、新人作家の登竜門として広く知られています。

毎年公募された作品の中から選ばれた受賞作は、講談社から刊行されるほか、受賞者には賞金が授与されます。江戸川乱歩賞の選考は、現役のミステリー作家や評論家によって行われ、独創性、ストーリーテリングの巧みさ、キャラクターの魅力などが評価基準です。

過去の受賞者には、松本清張や東野圭吾など日本を代表するミステリー作家が名を連ねており、受賞作はしばしば映画やドラマ化されることもあります。

書店や読者の投票で決まる賞

プロの作家だけではなく、書店員や読者が選ぶ賞について紹介します。

本屋大賞:全国の書店員がいま売りたい本

作品名 著者名 出版社
告白 湊かなえ 双葉社
博士の愛した数式 小川洋子 新潮社
夜のピクニック 恩田陸 新潮社

本屋大賞は日本の書店員が選ぶ文学賞で、2004年に創設されました。全国の書店員が自分たちで「売りたい本」を投票で選び、その年の最も魅力的な作品を表彰します。そのため、読者目線に立った選考が特徴で一般読者にも広く支持される本が多いです。

本屋大賞の候補作品は、前年の1年間に刊行された日本の小説が対象で、一次選考は全国の書店員からの投票によって決定されます。最終選考も書店員による投票で行われ、受賞作は多くの書店で大きく取り上げられ、販売促進が図られます。また、本屋大賞は、読者と書店員の信頼関係を強化し出版業界全体の活性化にもつながっていると言えるでしょう。

有名な作品には、湊かなえの「告白」や小川洋子の「博士の愛した数式」、恩田陸の「夜のピクニック」などがあります。

「このミステリーがすごい!」大賞

作品名 著者名 出版社
さよならドビュッシー 中山七里 宝島社
臨床真理 柚月裕子
宝島社
一千兆円の身代金 八木圭一 宝島社

「このミステリーがすごい!」大賞は、宝島社が主催するミステリー小説の文学賞で、2002年に創設されました。ミステリー、サスペンス、ホラー、冒険小説など広範なジャンルを対象としており、新人作家の発掘と育成を目的としています。応募作品は未発表の長編小説であることが条件で、一般公募によって集められます。

この賞は、エンターテインメント性と読者の満足度を重視しているため、幅広い読者層に受け入れられる作品が多いのが特徴です。

変わり種の賞についても紹介

最後に、変わり種の賞を2つ紹介します。

星新一賞:賞金額が高いことで有名

作品名 著者名
「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ ~ その政策的応用 遠藤慎一
次の満月の夜には
相川啓太
ローンチ・フリー 佐藤実

星新一賞は、SF作家・星新一の功績を記念して創設された文学賞で、新しい才能を発掘し、育成することを目的としています。2013年に始まり、短編やショートショートなど、星新一が得意とした短い形式の作品を対象としています。

また星新一が元々は研究者という経歴から、理系文学の作品やAIによる作品もノミネートされているのが特徴です。

ネット小説大賞:小説家になろうに投稿されている小説が対象

作品名 著者名 出版社
俺の死亡フラグが留まるところを知らない 宝島社
異世界居酒屋「のぶ」 蝉川夏哉 宝島社
聖者無双 ~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~ ブロッコリーライオン マイクロマガジン社

ネット小説大賞は、インターネット上で発表された小説を対象にした文学賞で、主にエンターテインメント性の高い作品が選ばれます。2013年に創設されて以降、毎年多くのネット小説が応募され、読者からの評価や人気を基に選考が行われる点が大きな特徴です。

一次選考では読者の評価が重視され、最終選考は出版業界のプロによって行われます。受賞作は書籍化され、多くの読者に届けられるほか、漫画化やアニメ化されることも多いです。

ネット小説大賞は、ネット発の物語が紙媒体や映像作品として広がる架け橋となっています。

受賞作品は本好きならチェックしておきたい作品が多い

今回は有名な賞から変わり種の賞まで、歴史やおすすめ作品とともに8個の文学賞を紹介しました。それぞれの賞によって選ばれるポイントが異なり、どれも名作ばかりが軒を連ねています。この機会に、読んだことのない文学賞の受賞作品を読み比べてみてはいかがでしょうか。新たな本の世界に出会えるチャンスかもしれません。

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